2026.06.08
交換レジデンスプログラム「TEA+」八幡亜樹(Aki Yahata)オープンスタジオ

交換レジデンスプログラム「TEA+」で現在国立台北芸術大学に滞在中のアーティスト八幡亜樹が、滞在を締めくくるオープンスタジオを関渡美術館で行います。
日時:2026年6月11日~14日 10:00 - 17:00
会場:関渡美術館(台湾)
《熊人內經圖 | Bear-Human Neijingtu》 (2026, Taiwan)
(予告編)
中国の古い医学書に残る「內經圖(内経図)*」を、人と熊をめぐる現代の生態環境を考えるための装置として再解釈しました。熊の挙動の変化と人の身体は、互いに影響し合っていると感じていたためです。
內經圖では人体が山水画のように描かれています。本作では、都市・里山・熊の生きる深山をひとつの身体として捉え直し、《熊人內經圖》として再構築しています。また、そこに現れる「内的熊」は、単純に熊でも人でもなく、環境と呼応する身体の象徴と見ることができます。本作は、内的熊を通して、最終的には人体と環境のあいだにある呼応関係を再考する試みです。
制作を進める中でもっとも興味深かったことの一つは、東洋医学の考え方を用いることで、熊の挙動や現代を新しい角度から捉え直すことが可能になった点です。例えば、熊の都市出没を、必要な陰陽の相交が不適当な場所で起きてしまっていると考えたり、山(腎)や里山(脾)の病症として捉えることで、経絡的な連関が現実世界に拓かれることなどです。(本当はもっと詳細な説明がありますが、ここでは簡略化しています)
ちなみに映像冒頭の後頭部タッピングは鳴天鼓という、東洋医学で腎虚症に用いられる施術です。熊や深山を腎と捉える本作の解釈に基づき、作品の中に取り入れています。
また本作では、台湾や中国の獅子舞に内在する気功や陰陽五行の構造を参照しながら、內經圖を太鼓と熊の踊りへ変換する試みも行っています。
(参考にした獅子舞は、日本統治時代に武術規制がしかれた際、台湾の人たちが自治の力を維持するために、武術練習の隠れ蓑にしていた芸能でもあります。)
*內經圖=内丹を鍛え、気の巡りを養うための術法を、山水のような身体風景図にしたもの.
(八幡亜樹)